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技術ノート

AWS DevOps Agent の料金と制限まとめ — 1調査いくら?無料枠はいつまで?

AWS DevOps Agent の料金体系($0.0083/秒)・無料トライアル・AWS Supportクレジット・クォータ制限を一本で整理。月額試算3パターン付き。

2026年6月29日 更新: 2026年9月14日 8分で読める
AWS DevOps Agent の料金と制限まとめ — 1調査いくら?無料枠はいつまで?

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「DevOps Agent、試してみたいんだけど——結局、月いくらになるんだろう」

「1秒 $0.0083 の従量課金と書いてあるけど、月いくらになるのかイメージが全然わからない」——料金ページを開くと、だいたいそこで思考が止まります。秒単位と言われても、1回の調査が何秒かかるかわからなければ月額の見当がつきません。

この記事では、公式ドキュメントをもとに料金体系・無料枠・クォータ制限を整理し、「月に何件調査が走ると何円になるか」を具体的に試算します。

この記事で分かること

  • $0.0083/秒の料金が実際の調査費用にどう換算されるか
  • 2ヶ月無料トライアルで何ができるか
  • AWS Support プランごとのクレジット額と実質コスト
  • 見落としがちな CloudWatch Logs 等の追加費用
  • クォータ制限の早見表(変更できるもの vs できないもの)

料金体系の基本(秒単位の従量課金)

AWS DevOps Agent はエージェントが稼働した秒数だけ課金される仕組みです。

タスク種別 料金
調査(Investigations) $0.0083/秒
評価(Evaluations) $0.0083/秒
オンデマンド SRE タスク $0.0083/秒

全タスク一律単価という潔い設計です。エージェントスペースを作成しただけでは課金されません。アイドル中も無課金なので、月に数件しか発報しない環境でもコストが膨らみにくい点は素直に評価できます。

時給に換算すると $0.0083 × 3,600秒 = $29.88/時間(約4,500円、1ドル150円換算)になります。課金は 2026年4月10日から開始されています。

このシンプルな料金構造を踏まえたうえで、実際の1調査コストを見ていきます。

1回の調査でいくらかかるか

DevOps Agent がアラームを受け取り、調査レポートを出力するまでの時間が課金対象です。調査の長さはインシデントの複雑さによって変わりますが、典型的なケースで試算するとこうなります。

調査時間 コスト(ドル) コスト(円) 用途の目安
5分(300秒) $2.49 約374円 単一サービスの調査を想定
10分(600秒) $4.98 約747円 CloudWatch + ログ横断チェック
20分(1,200秒) $9.96 約1,494円 マルチサービスの複合障害

1件あたり5〜10分と仮定すると、$2.49〜4.98(約374〜747円)です。実際の調査時間は対象サービス、参照するテレメトリ、インシデントの複雑さによって変わるため、無料トライアル中の実測値に置き換えて試算してみましょう。

月間の規模感をつかむために、3パターンを試算します。

シナリオ 想定 月額(ドル) 月額(円)
小規模 月10件調査(各8分)+ 月5回評価(各5分) 約$52 約7,800円
中規模 月30件調査(各10分)+ 月30回評価(各5分) 約$224 約33,600円
大規模 月100件調査(各12分)+ 月30回評価(各10分) 約$747 約112,050円

上の仮定では、月30件の調査と月30回の評価で約$224です。この費用に見合うかを判断するために、Agentの実測稼働時間に加え、人が行う初動調査を何時間削減できたかも計測しておきましょう。

関連記事 AWS DevOps Agent の導入、自社でどこから始めるか 規模別・体制別の導入ロードマップを整理しています。コスト試算と合わせて確認できます。

費用感が見えたところで、無料で試せる範囲を確認します。

無料で試せる範囲

新規ユーザーには最初のタスク実行後から2ヶ月間の無料トライアルが提供されます。

内容 無料上限
Agent Space 数 10個
調査(Investigations) 20時間
評価(Evaluations) 15時間
オンデマンド SRE タスク 20時間

各月の調査枠20時間を、1件平均10分と仮定すると月120件、2ヶ月で最大240件に相当します。無料トライアルはAWS Free Tierとして提供される枠であり、別枠を加算するものではありません。枠はタスク種別ごとに分かれているため、調査・評価・オンデマンドの合算はできません。

無料枠を使い切ったあとのコスト管理にも公式の仕組みが用意されています。

AWS Support クレジットで実質コストを下げる

有料の AWS Support プランを契約している場合、前月の Support 請求額に応じたDevOps Agent クレジットが毎月付与されます。

サポートプラン クレジット
Unified Operations 前月 Support 料金の 100%
Enterprise Support 前月 Support 料金の 75%
Business Support+ 前月 Support 料金の 30%

例えば Enterprise Support の前月の請求額を $1,000 とすると、当月に $750 分のクレジットが付与されます。上の中規模シナリオの約$224なら、DevOps Agent本体の利用料はこの枠に収まります(クレジットは月末に失効します)。

このように、契約済みのSupportプランによってはDevOps Agentの実質負担を抑えられます。ただし、相殺できるのは付与されたクレジットの範囲までです。Supportプランを契約中なら、Pricingページの条件と請求明細を一緒に確認しておきましょう。

見落としがちな「隠れコスト」

DevOps Agent 本体の料金とは別に、調査中に利用する AWS サービスはそれぞれの標準料金で別途課金されます。代表的なものは次の通りです。

  • CloudWatch Logs Insights: ログクエリでスキャンしたデータ量に応じた料金
  • AWS X-Ray: トレース取得・フィルタリング
  • Amazon S3: 調査ログの保存・読み取り

追加費用は、ログのスキャン量や保存量によって変わり、1調査あたりの一律単価にはできません。Cost ExplorerでDevOps Agent本体とCloudWatch等の利用料を分け、PoC中に1調査あたりの実績値を計測していきましょう。

関連記事 CloudWatchアラームから自動調査を開始 — DevOps Agent × EventBridge構成パターン 調査がどのログ・メトリクスを参照するか、構成レベルで把握しておくとコスト管理しやすくなります。

コストの全体像が見えたところで、機能面の制限も押さえておきましょう。

制限(クォータ)早見表

AWS DevOps Agent には Service Quotas で管理されるクォータがあります。「変更できる」ものと「固定」のものがあるため、設計前に確認しておくことをお勧めします。

変更できる制限(Service Quotas で引き上げ申請可)

制限項目 デフォルト
アカウント・リージョンあたりの Agent Space 数 100
Agent Space あたりの同時調査数(Investigations) 3
Agent Space あたりの同時オンデマンド呼び出し数 10
Agent Space あたりの同時リリース前チェック数 4
Agent Space あたりの同時自動リリーステスト数 4

変更できない制限(固定)

制限項目 上限
Agent Space あたりの同時評価数(Evaluations) 1
Agent Space あたりの MCP ツール数 500
Agent Space あたりのカスタムエージェント数 200
Agent Space あたりのカスタムエージェント同時呼び出し数 5
カスタムエージェントあたりの同時呼び出し数 1
カスタムエージェントのプロンプト長 50,000文字
カスタムエージェントあたりのスキル数 200
カスタムエージェントの呼び出しタイムアウト 1時間
Agent Space あたりのメモリストア数 50
メモリストアあたりのメモリ数 200

特に「同時評価(Evaluations)が1件固定」は見落としやすい制限です。信頼性評価は並列実行できないため、複数リソースをまとめて評価したい場合は順番待ちが発生します。大規模環境で評価を多用するなら、設計段階から待ち時間を見込んでおきましょう(個人的にはここだけ引き上げ申請できるようにしてほしい)。

対応リージョン

2026年9月時点では11リージョンに対応しています。全リージョンは公式のSupported Regionsで確認できます。主要リージョンは次の通りです。

リージョン コード
米国東部(バージニア北部) us-east-1
米国西部(オレゴン) us-west-2
アジアパシフィック(東京) ap-northeast-1
アジアパシフィック(シンガポール) ap-southeast-1
アジアパシフィック(シドニー) ap-southeast-2
欧州(フランクフルト) eu-central-1
欧州(アイルランド) eu-west-1

Agent Space を作成したリージョン以外のリソースも監視できるクロスリージョンモニタリングに対応しているため、マルチリージョン構成でも Agent Space は1つで運用できます。東京リージョンで Agent Space を作成しながら、us-east-1 の ECS クラスターを調査対象にする、といった使い方も可能です。

なお、リリース管理系の機能(リリース前チェック・自動リリーステスト)は現時点でプレビュー中のため、us-east-1 のみで利用可能です。

まとめ

AWS DevOps Agent の料金は「$0.0083/秒」の従量課金です。1調査を5〜10分と置いた試算では$2.49〜4.98ですが、見積もりには自社環境の実測時間を使います。Supportクレジットの適用条件、CloudWatch Logs Insightsなどの追加費用、「同時評価は1件固定」というクォータも設計前に確認しておきましょう。

まずは 2ヶ月の無料トライアル(調査は各月20時間)を使ってPoCを行い、そこで計測した発報件数と調査時間から本番運用の月額を見積もるのが現実的なアプローチです。AWS コンソールの DevOps Agent から Agent Space を作成し、トライアル枠の消化状況を確認するところから始めましょう。


参考文献

鈴

この記事を書いた人

鈴木 正明

大手通信キャリア・大手SIer等でエンタープライズ向けAWS基盤の設計・構築、セキュリティ監視基盤構築、IaC推進に一貫して従事。現在はAWS運用へのAI活用(AIOps)にも取り組んでいる。

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