TsukiOps
ホーム>ブログ>技術ノート>AWS DevOps Agent の料金と制限まとめ — 1調査いくら?無料枠はいつまで?
技術ノート

AWS DevOps Agent の料金と制限まとめ — 1調査いくら?無料枠はいつまで?

AWS DevOps Agent の料金体系($0.0083/秒)・無料トライアル・AWS Supportクレジット・クォータ制限を一本で整理。月額試算3パターン付き。

2026年6月29日 8分で読める
AWS DevOps Agent の料金と制限まとめ — 1調査いくら?無料枠はいつまで?

30分で課題を整理しませんか?

記事の内容についてのご質問や、自社への適用についてお気軽にご相談ください。

30分ヒアリングを予約

「DevOps Agent、試してみたいんだけど——結局、月いくらになるんだろう」

「1秒 $0.0083 の従量課金と書いてあるけど、月いくらになるのかイメージが全然わからない」——料金ページを開くと、だいたいそこで思考が止まります。秒単位と言われても、1回の調査が何秒かかるかわからなければ月額の見当がつきません。

この記事では、公式ドキュメントをもとに料金体系・無料枠・クォータ制限を整理し、「月に何件調査が走ると何円になるか」を具体的に試算します。

この記事で分かること

  • $0.0083/秒の料金が実際の調査費用にどう換算されるか
  • 2ヶ月無料トライアルで何ができるか
  • AWS Support プランごとのクレジット額と実質コスト
  • 見落としがちな CloudWatch Logs 等の追加費用
  • クォータ制限の早見表(変更できるもの vs できないもの)

料金体系の基本(秒単位の従量課金)

AWS DevOps Agent はエージェントが稼働した秒数だけ課金される仕組みです。

タスク種別 料金
調査(Investigations) $0.0083/秒
評価(Evaluations) $0.0083/秒
オンデマンド SRE タスク $0.0083/秒

全タスク一律単価という潔い設計です。エージェントスペースを作成しただけでは課金されません。アイドル中も無課金なので、月に数件しか発報しない環境でもコストが膨らみにくい点は素直に評価できます。

時給に換算すると $0.0083 × 3,600秒 = $29.88/時間(約4,500円、1ドル150円換算)になります。課金は 2026年4月10日から開始されています。

このシンプルな料金構造を踏まえたうえで、実際の1調査コストを見ていきます。

1回の調査でいくらかかるか

DevOps Agent がアラームを受け取り、調査レポートを出力するまでの時間が課金対象です。調査の長さはインシデントの複雑さによって変わりますが、典型的なケースで試算するとこうなります。

調査時間 コスト(ドル) コスト(円) 用途の目安
5分(300秒) $2.49 約374円 単純な ECS タスク再起動など
10分(600秒) $4.98 約747円 CloudWatch + ログ横断チェック
20分(1,200秒) $9.96 約1,494円 マルチサービスの複合障害

1件 $2.5〜5(375〜750円)が現実的なレンジです。よくある話ですが、コーヒー1杯分と考えると判断しやすいですね。

月間の規模感をつかむために、3パターンを試算します。

シナリオ 想定 月額(ドル) 月額(円)
小規模 月10件調査(各8分)+ 月5回評価(各5分) 約$52 約7,800円
中規模 月30件調査(各10分)+ 日次評価(各5分) 約$222 約33,000円
大規模 月100件調査(各12分)+ 日次評価(各10分)+ オンデマンド利用 約$920 約138,000円

月30件程度の調査なら $200 前後に収まります。SREエンジニア1名の月額人件費と比べると、多くの現場で費用対効果は出る計算です。

関連記事 AWS DevOps Agent の導入、自社でどこから始めるか 規模別・体制別の導入ロードマップを整理しています。コスト試算と合わせてご確認ください。

費用感が見えたところで、無料で試せる範囲を確認します。

無料で試せる範囲

新規ユーザーには最初のタスク実行後から2ヶ月間の無料トライアルが提供されます。

内容 無料上限
Agent Space 数 10個
調査(Investigations) 20時間
評価(Evaluations) 15時間
オンデマンド SRE タスク 20時間

調査20時間 ÷ 平均10分 = 月120件の調査が実質無料でできる計算です(2ヶ月合計)。PoC を走らせてアーキテクチャを検証するには十分な枠です。加えて、DevOps Agent は AWS Free Tier にも含まれているため、新規 AWS アカウントでは別途 Free Tier の適用もあります。

無料枠を使い切ったあとのコスト管理にも公式の仕組みが用意されています。

AWS Support クレジットで実質コストを下げる

有料の AWS Support プランを契約している場合、前月の Support 請求額に応じたDevOps Agent クレジットが毎月付与されます。

サポートプラン クレジット
Unified Operations 前月 Support 料金の 100%
Enterprise Support 前月 Support 料金の 75%
Business Support+ 前月 Support 料金の 30%

例えば Enterprise Support で月 $1,000 のサポート費用を払っている場合、翌月に $750 分のクレジットが付与されます。中規模シナリオの $222 はほぼ相殺されます(クレジットは月末に失効するので使い切り忘れに注意です)。

Enterprise Support 契約企業なら、DevOps Agent の費用が実質ゼロになるケースも珍しくありません。Support プランを契約中の方はぜひ一度 Pricing ページで確認してみてください。

見落としがちな「隠れコスト」

DevOps Agent 本体の料金とは別に、調査中に利用する AWS サービスはそれぞれの標準料金で別途課金されます。代表的なものは次の通りです。

  • CloudWatch Logs Insights: ログクエリのスキャンデータ量 × $0.005/GB
  • AWS X-Ray: トレース取得・フィルタリング
  • Amazon S3: 調査ログの保存・読み取り

調査1件あたりの隠れコストは $1〜5 程度のことが多いですが、大規模なログをスキャンする調査が多い環境では膨らむこともあります。Cost Explorer で DevOps Agent の項目を確認し、本体費用と別途 CloudWatch 等のコストを分けてチェックするのが管理しやすいです。

関連記事 CloudWatchアラームから3分で自動調査開始 — DevOps Agent × EventBridge構成パターン 調査がどのログ・メトリクスを参照するか、構成レベルで把握しておくとコスト管理しやすくなります。

コストの全体像が見えたところで、機能面の制限も押さえておきましょう。

制限(クォータ)早見表

AWS DevOps Agent には Service Quotas で管理されるクォータがあります。「変更できる」ものと「固定」のものがあるため、設計前に確認しておくことをお勧めします。

変更できる制限(Service Quotas で引き上げ申請可)

制限項目 デフォルト
アカウント・リージョンあたりの Agent Space 数 100
Agent Space あたりの同時調査数(Investigations) 3
Agent Space あたりの同時オンデマンド呼び出し数 10
Agent Space あたりの同時リリース前チェック数 4

変更できない制限(固定)

制限項目 上限
Agent Space あたりの同時評価数(Evaluations) 1
Agent Space あたりの MCP ツール数 500
Agent Space あたりのカスタムエージェント数 200
カスタムエージェントあたりの同時呼び出し数 1
カスタムエージェントの呼び出しタイムアウト 1時間
Agent Space あたりのメモリストア数 50

特に「同時評価(Evaluations)が1件固定」は見落としやすい制限です。信頼性評価は並列実行できないため、複数リソースをまとめて評価したい場合は順番待ちが発生します。大規模環境で評価を多用する場合は設計段階で注意してください(個人的にはここだけ引き上げ申請できるようにしてほしい)。

対応リージョン

GA 後にリージョン拡大が進み、現在は 11 リージョンに対応しています(2026年6月時点)。主要リージョンは次の通りです。

リージョン コード
米国東部(バージニア北部) us-east-1
米国西部(オレゴン) us-west-2
アジアパシフィック(東京) ap-northeast-1
アジアパシフィック(シンガポール) ap-southeast-1
アジアパシフィック(シドニー) ap-southeast-2
欧州(フランクフルト) eu-central-1
欧州(アイルランド) eu-west-1

Agent Space を作成したリージョン以外のリソースも監視できるクロスリージョンモニタリングに対応しているため、マルチリージョン構成でも Agent Space は1つで運用できます。東京リージョンで Agent Space を作成しながら、us-east-1 の ECS クラスターを調査対象にする、といった使い方も可能です。

なお、リリース管理系の機能(リリース前チェック・自動リリーステスト)は現時点でプレビュー中のため、us-east-1 のみで利用可能です。

まとめ

AWS DevOps Agent の料金は「$0.0083/秒」というシンプルな従量課金です。1調査 $2.5〜5、月30件規模で $200 前後が現実的な目安になります。Enterprise Support 契約があれば Support クレジットで実質コストを大幅に下げられる点は見逃しがちです。また、CloudWatch Logs Insights などの隠れコストと、「同時評価は1件固定」というクォータ制限は設計前に押さえておく価値があります。

まずは 2ヶ月の無料トライアル(調査20時間)でPoC を完結させて、そこで計測した発報件数ペースから本番運用の月額を見積もるのが現実的なアプローチです。AWS コンソールの DevOps Agent から Agent Space を作成し、トライアル枠の消化状況を確認するところから始めてみてください。


参考文献

この記事を書いた人

鈴木 正明

大手通信キャリア・大手SIer等でエンタープライズ向けAWS基盤の設計・構築、セキュリティ監視基盤構築、IaC推進に一貫して従事。現在はAWS運用へのAI活用(AIOps)にも取り組んでいる。

メールマガジン(不定期)

AWS運用自動化・AIOps・生成AI活用の実装事例や知見を不定期にお届けします。いつでも配信停止できます。